治療について
十二指腸内視鏡治療における偶発症
十二指腸内視鏡治療における偶発症
十二指腸は他の臓器(食道・胃・大腸)と比較し極めて壁が薄く、切除の際に局注(持ち上げるために液を注入すること)しても、思うように持ち上がらず、不用意に切除を行うと容易に腸に穴が開いてしまう臓器なのです。これを術中(じゅつちゅう)穿孔(せんこう)といいます。また、十二指腸は乳頭部より胆汁や膵液といった非常に強い消化液が分泌されます。そのため、内視鏡切除後の傷がそのままこの消化液にさらされれば、傷も瞬く間に消化され、腸に大きな穴が開いてしまいます。これを遅発性(ちはつせい)穿孔(せんこう)と言います。また十二指腸は治療後の傷からの出血のリスクも高いとされています。
図1.十二指腸の解剖と周辺臓器