治療について

当科における十二指腸内視鏡治療の特徴

当科における十二指腸内視鏡治療の特徴
我々は十二指腸における内視鏡治療において最も重要なのは治療中の安全性の確保と治療後の偶発症の予防と考えています。
安全性の確保
内視鏡治療を行う場合は、治療前に一度外来にて専門医による精査内視鏡検査を受けていただいています。病変を確認するだけではなく、実際の内視鏡治療を想定して詳しく観察します。こうすることで、難易度の高い十二指腸内視鏡治療をより安全に行う準備を事前に行います。また、高度で細かな技術を要する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)においては全身麻酔を行い、体動を抑制したうえで外科手術と同様な環境下で治療を行っています。
偶発症(主に術中穿孔および遅発性穿孔)の予防
十二指腸内視鏡治療においては穿孔(腸に穴があくこと)の予防が最も重要となります。そこで、我々は切除の際または切除後に、非常に強力な縫縮力を持った金属クリップ(over-the-scope clip;OTSC®)を用いることで、切除した部分の傷を閉鎖し、術中、術後の穿孔を確実に予防しています。このようにOTSC®を用いた内視鏡治療(図4・5)は最新の治療法です。当科では「安全で確実な内視鏡治療」を理念に、特にOTSC®を用いた内視鏡的粘膜切除術(EMR with OTSC;EMRO)(図4)は当科が開発、命名した治療法(Tashima T, Nonaka K et al. Video GIE.2017)であり、10mm程度までの腫瘍であればこの手法で積極的に治療をおこなっています。10㎜をこえる腫瘍であればESDにて確実に一括切除を行い、切除によってできた傷をOTSC®を用いて完全に閉鎖し、遅発性穿孔を確実に予防しています。
表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対するOTSC®併用内視鏡的粘膜切除術
図4.表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対するOTSC®併用内視鏡的粘膜切除術
(EMR with OTSC ; EMRO)
表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とOTSC®を用いた切除後潰瘍底の完全閉鎖
図5.表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とOTSC®を用いた切除後潰瘍底の完全閉鎖